「生きがい」はつくれる!高齢者の心と体を支える「役割」のチカラ

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はじめに

これまで私たちは、「仕事」や「子育て」など、さまざまな役割を担って生きてきましたよね。それらの役割は、私たちの生活にハリと生きがいを与えてくれていたはずです。しかし、歳を重ねるにつれて、そうした役割が徐々に失われ、生きる希望まで見失ってしまうことがあります。

介護の仕事をしていると、パートナーを亡くしたことで、それまでの役割を見失い、一気に老け込んでしまう方を何人も見てきました。大切な人が生きる力を失っていく姿を見るのは、本当に辛いものです。

でも、そうならないために、私たちにできることがあります。それは、その人に寄り添い、できることや「したい」と思うことを見つけるお手伝いをすること。そうすることで、その人らしい生活をサポートし、再び日々に輝きを取り戻すことができるのです。


あなたにとっての「役割」とは何ですか?

ここで言う「役割」とは、その人に「任された、ちょっとした仕事」のこと。難しく考える必要はありません。例えば、

  • 「新聞を毎朝撮りにいく」
  • 「お花の水やりをする」
  • 「夜ご飯に使う野菜を切って下準備しておく」
  • 「回覧板を隣の家に届ける」
  • 「〇〇ちゃん(お孫さん)のお迎えに行く」

といった、ささやかなことでもいいのです。大切なのは、「自分に任された仕事がある」という感覚が、高齢者の日々に驚くほどのハリと喜びをもたらすことです。

先日、保育園にお子さんを迎えに行った際に出会ったおじいさんの話は、まさにそのことを教えてくれます。脳梗塞という大きな試練を乗り越え、不自由さを抱えながらも、ひ孫さんを自転車で迎えに行くという「役割」があるからこそ、毎日を元気に過ごせると話されていました。住み慣れた四国を離れ、滋賀県に来るという大変な決断をされた中で、この「役割」がどれほどの支えになっているか、想像に難くありません。


なぜ「役割」が、あなたの”大切な人”を輝かせるのか

私たちは、誰かの役に立っていると感じる時に、「自分は必要とされている」という温かい気持ちになります。それは年齢を重ねても変わらない、人間の根源的な喜びです。

もし、あなたの身近な高齢者の方が、以前より活気がなくなってしまったと感じることがあるなら、それはもしかしたら「役割」を見失っているからかもしれません。おじいさんのように、ひ孫さんを迎えに行くという責任感が、リハビリへの意欲や日々の活動の原動力になっているのは、まさにその良い例です。

さらに、「役割」は心の健康だけでなく、身体の健康にも良い影響を与えることが知られています。例えば、家の手伝いをすることで適度な運動になったり、人との交流が増えることで認知機能の維持にもつながったりするのです。そして何より、孤独感の軽減にも大きく役立ちます。

彼らが持つ経験や知恵、そして何よりも「あなたを大切に思う気持ち」は、計り知れない価値があります。それを活かせる「役割」をプレゼントすることで、彼らは再び「自分はできる」「役に立てる」という自信を取り戻し、精神的な充足感で満たされるでしょう。


あなたにできること:温かい「役割」の贈り方

では、具体的にどんなことができるでしょうか?

  • 家族の中で、得意なことや好きなことを見つけてお願いしてみる。
    • 「おばあちゃんの得意な編み物、孫に教えてもらえないかな?」
    • 「おじいちゃんの畑仕事、また少し手伝ってもらえない?」
    • 「昔の地域の話、聞かせてもらえない?」
  • 無理のない範囲で、日常生活の中での「ちょっとしたお願い」を習慣にしてみる。
    • 朝食のパンを買いに行ってもらう、洗濯物を畳んでもらう、など、相手が負担に感じない程度のことから始めてみましょう。
  • 「ありがとう」の気持ちを伝える場を作る。
    • 小さな役割でも、感謝の言葉や笑顔で伝えることで、相手は「やってよかった」と感じます。
  • 地域活動への参加をそっと後押しする。
    • 無理強いはせず、「こんな活動があるみたいだけど、どうかな?」と提案してみるのも良いでしょう。例えば、地域の清掃活動や子供たちの見守り活動など、短時間から参加できるものもあります。ご近所の方との立ち話や、地域のイベントに顔を出すだけでも、立派な社会参加です。

大切なのは、その方の体力や興味、そして何よりも「やりたい」という気持ちを尊重することです。

高齢者の皆さんが、あなたや社会とのつながりの中で、日々の生活にハリと喜びを感じられるように。あなたからの温かい「役割」のプレゼントが、きっと彼らの毎日をより豊かにするはずです。

あなたの周りの大切な方にも、何かできる「役割」が見つかるかもしれませんね。

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